初日のシロギス釣りは楽しく修了した。今回の合宿の目的は「夏ヒラメ強化」である。参加している全員、そのことは分かっている。前夜の夕食を終えて民宿に戻ると皆すぐに床について消灯。おしゃべりする女性は誰もいなかった。おしゃべりしていたのは・・・・どこかからやってきた他の釣り客達だった。女性メンバーの何名かはもう寝息を立てている。私と姉御さんは談話スペースに一番近い場所だったので嫌でも釣り客達の会話が耳に入ってくる。どこそこの何釣りで竿頭になっただのならなかっただの・・・時計はもうすぐ11時半。午前3時半起床の我々に残された睡眠時間は少ない。一生懸命寝ようと努力したがどうしても内容が「釣り」だけに会話が耳に入ってしまう。話題は我々のことにも及んだ。
「そういえばさっきの女の子達は何しに来たんだ?」
「海水浴だろ。釣りじゃないよ。」
「そうだよなあ。海水浴だよなあ。でも、海水浴でわざわざ民宿泊まるのか?」
「珍しいなあ。」
・・・・違うの!あたしたちも釣り!釣りなの!朝早いの!
早く寝てください!!
姉御さんの許可を頂き、私がおじさま達に「お静かに願います。」と言ってからやっと静かになり眠ることが出来た。それでも寝付きが悪くて金縛りにあった私・・・。 |
3時半の目覚ましが鳴る前に目が覚めた。他のお客さんの悲鳴のような変な寝言が聞こえたからだ。起きてしまったのが悔しくて布団の中でうだうだしていたが、姉御さんも同様に目が覚めたらしくコソコソと身支度をしている。気合いを入れて起きあがる。「ごめん、起こしちゃった?」と姉御さんが言った。「いえ、なんか変な声が聞こえて起きました。」「あれすごかったでしょ(笑)。」そうこうしているうちに携帯電話のアラームがなり、全員起床。「おはようございま〜す。」結構みんな寝起きがいい。
顔を洗って身支度をしている時に「雨降ってますよ・・・。」ともぐちゃんから聞いた。へ!?そんな予報出てたっけ?洗面所の窓を開けてみるとシトシトどころかバッチリ降っている音がする。一応、レインウエアは持参していたが完全防水仕様ではない。まあ、冬じゃないから多少濡れても大丈夫だとは思うのだが・・・。
予定通り、四時前に宿を出発。一路コンビニへ向かい食料や飲み物を調達する。夕べ焼き鳥を食べ過ぎて胃がもたれていた。私は船酔い対策と胃もたれ解消のために恥ずかし気もなく「液キャベ」を購入し、車に戻ると一気飲みした。ちょっとすっきり。
雨の予報なんてたぶん全員知らなかったはずなのに、なぜかちゃんとレインウエアを着ているメンバー。「あれで全員夏使用のTシャツ短パンしか持ってなかったら大変でしたよね〜。みんなさすがですよ。」と帰りの車中でそのことにもぐちゃんが感心していた。 |
船着き場に着くと、前夜に姉御さんが手配してくれたので右舷全部を我々が占領できた。総勢11名。片舷仕立てと言うに近い。清勝丸統括部長殿も今日は乗船すると聞いていたのだが、暗いし雨で視界不良につき出船前は確認できず。そして私は乗船前のアクシデントがあってなかなか準備が進まずにいた。アクシデントとは・・・右手親指の爪が剥がれました〜(T_T)/。スナップ付けるのも四苦八苦。乗船前に姉御さんからもらった絆創膏は準備している間に雨でビロビロ。右隣に座ったサバ子さんにまたもや絆創膏を分けて頂き、保護した。ズキズキするが、ヒラメが釣れればそれも忘れるだろう・・・とその時は思っていた。
30分ほど走り、ポイント到着。最初のイワシは3匹配られた。サバ子さんにイワシの付け方などお教えしようかと思ったがなんだかちゃんと付けている。きっと予習してきたのだろう。前回もそうだったが、サバ子さんはあまり質問などをしてこない。きっと師匠からいろいろ教えて頂いているのだろうな、と思って静観していた。
今回、私の左隣は草餅くんだった。彼はおニューの竿で初めてのヒラメ釣りらしい。なかなか良いしなり方をする竿だった。私と同じく道具にかなり思い入れがあるらしい草餅くんは竿についていろいろ教えてくれた。うんうん。その竿でヒラメが釣れると良いね!なんてちょっと年上ぶっていた私が奈落の底へ突き落とされるまでそう時間はかからなかった・・・。
突然、草餅くんが合わせをくれた。
「乗った!」
緊張&興奮顔の草餅くん。ま、まじですか??船長がタモを持って走ってきた。姉御さんもカメラを持って走ってくる。水面に浮かんだのは紛れもない「ヒラメ」であった。う・・・これ釣りたい。まじで釣りたい。痛む親指から意識を遠ざけて真剣に穂先を見つめた。
雨は降り続けた。それでもいくらか雲が薄くなってきたので、数時間で晴れ間が見えそうな予感。絆創膏をしても雨ですぐぐっしょりとなってしまい傷口にズキズキ染みた。イワシの餌付けをすると海水に濡れてさらにズッキンズッキン・・・。自分で起こしたアクシデントだけに誰も恨めない。このハンデ、誰かくれないかしら・・・。餌付けやってくれるとか、アタリがあるまで竿持ってくれるとか・・・。そんなアホな事を考えながらも真剣に穂先を見つめ、細かく棚を切り直していた。
左舷でもヒラメが釣れたらしい。雨も上がってやっといかにも「夏ヒラメ釣り」という雰囲気になってきた。しかし指が痛い。本当は根がきついしアタリがあったら送り込むか合わせるかすぐに判断して操作しないと行けないから手持ちが一番有利なのだが、辛くて何度も置き竿にした。一年八ヶ月ぶりに使う「海攻ヒラメリミテッド」はとても重く感じた。この竿のおかげで素人の私が72センチヒラメを上げられたのだが、今日は拷問道具のようだった。しかも持っている中で一番重い両軸リールであるアブ6500を装着してしまった。いや、本当は大ヒラメ狙いならこれが私のベストタックルなのだ。半分手持ち、半分置き竿でひたすらアタリを待った。
前日のキス釣りとはうってかわってメンバー全員が口数も少なく真剣だった。姉御さんはその「間」が気になるらしくて、またもやマメに巡回してくれた。「mamiさん、はい竿持って〜!」ちょっと竿をアオってポーズをしてみた。これが本当に魚が掛かっている状態なら嬉しさ倍増なんだがなあ。貴重な私の「初ライフジャケット」写真である。オレンジのサンバイザーにオレンジのライジャケとはくどい。カラーコーディネートがいまいちかもしれないと思ってしまった。
大トモに座ったアオさんはなぜかかなり良型のメバルやアイナメをばんばん釣っていた。本命はおろかそういった外道にも見放された私。羨ましい!根魚キング!と勝手にアオさんに称号を付けて気を紛らわしていた。しかし良い型のアイナメだ。イワシを食べに来るなんて結構ガッツ入ってます。
そして、いつも通り(?)黙々とマイペースに竿を持ち続けるサバ子さんであった。彼女が置き竿にしたり座っているのを見たことはない。毎回最初から最後までスタンディングで粘り通す彼女を見てハッとした。初めの頃はず〜っと手持ちで立って釣りをしていたのに、いつのころからか置き竿にしたり座るようになってしまったねえ、と反省も込めてこれも帰りの車中、もぐちゃんと話した。サバ子さんも管ちゃんもひらジャネちゃんもずっと手持ちで立っていた。こういうひたむきさがビギナーズラックというものに結びつくのであろう。親指が痛いの〜・・・って泣きを入れながら置き竿にして座っている私にはもうこないラッキーなんだな、と痛感した。っていうかマジで指が痛かったんです・・・。
それにしても、この右舷にズラ〜ッと並んでいる人たちが昨日シロギス釣りでケラケラ笑い、焼鳥屋でどんちゃん騒ぎしていたメンバーと同じ人物とは思えないくらいの変わり様だった。ほとんど全員手持ちでじっと穂先を見つめ、言葉もあまり交わさない。静かすぎる船上。エンジン音だけが聞こえる。1枚釣った草餅くんに私は嫉妬して「もう釣らなくて良いよ〜♪」と意地悪を言ったりして遊ぶしかなかった。外房でヒラメを釣ったことはある。あれは本当にビギナーズラックだったのだ。今こうして再び外房でヒラメを追っているが、いったいどうしたら食らいついてくれるのか最初からわからないままだった。何度かミヨシにいる姉御さんにアドバイスをもらいに行ったり、巡回しにきてくれた姉御さんに捨て糸の長さを調整してもらったりした。それでもなかなか釣り方がピンと来なかった。それは隣のサバ子さんも同様のようで、竿を寝かせたり立てたり、巻き上げたり落としたりを繰り返して何度も何度も首を傾げていた。サバ子さんごめんね。私が教えてあげられることは何もありません(T_T)。 |
残り時間が2時間を切った頃も、一応私は諦めてなかった。この状況でヒラメが当たるか当たらないかはかなり運に左右されている気がしたからだ。何度も穂先が首をもたげるイメージをスプーン曲げでもするかのように竿に送り込んだ。が、なかなか穂先は絞り込まれなかった。
「当たってる!」
声のする方を向くと、はまゆうさんの竿が「ぎゅんぎゅん!」っと穂先にアタリを出している。はまゆうさんはみんなに注目されても臆することなく慎重に竿と糸を送り込む。再び大きいアタリが出た。はまゆうさんが早すぎず遅すぎないスピードで合わせを入れた。竿が満月にしなった。 |
プロ顔負けのアタリから合わせまでの一連の動作を見ることが出来た。自分の事のようにドキドキした。上がってきたのは夏ヒラメとして上々のサイズだった。やっぱりヒラメは口がでっかい!サバ子さんに「今の見てました?当たってるところとか?」とお聞きしたが「え?何ですか?」といったハテナスマイルをされてしまったので聞き流してもらった。今の一部始終をサバ子さんも見ていればすごくいいイメージトレーニングになったはず・・・ま、自分が釣っちゃえばそれが一番いいんですけどね(笑)。
それまでさすがに私も眠くなって何度かウトウトしていたが、はまゆうさんのヒット&キャッチを見てスキッと目が覚めた。もう親指の痛みには慣れてきので再びラストチャンスにかけるべく竿を手持ちにした。それでも時間は待ってくれない。無情のゴングが鳴った。「はい、これで終わります。上げてくださ〜い。」っとアナウンスがあったのに慎重にリーリングしている根魚キング・アオさん。あわててタモを持って駆け寄る私。上がってきたのは
・・・ヒラメだ!
「すごいよアオさん!おめでとうございます〜!」「ありがとうございます!」
感動した。こういうのってあるんだ。
「諦めちゃいけない!」
最後の最後に外房の海はそう教えてくれたのだった。 |

強化されちゃった面々。
お疲れさまでした!
ここに写っている女性6名は「同士」です。
(勝手に決めた)

沖揚がり後、姉御さんから修了証書を頂きました♪
これをお守り代わりに次回は絶対ヒラメを釣るぞ!
姉御さん、シャークつしまさん、管ちゃん、幹事&盛り上げ役お疲れさまでした!
もぐちゃん、はまゆうさん、危ない運転手におつき合い頂きありがとうございました!
サバ子さん、ひらジャネちゃんの送り迎えありがとうございました!
ひらジャネちゃん、またもやろくに指導できなくてすみませんでした!
そしてブイさん、アオさん、清勝丸統括部長殿!
大変お世話になりました!
皆様とまた清勝丸で再会できる日を楽しみにしています♪
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