昨年HDDレコーダーを使い始めてから、「釣り」というキーワードで自動録画予約をしている。
いつも見ている釣り番組はもちろん、「大間のマグロ釣り漁師ドキュメント」から「ワカサギ釣り解禁」というニュースまでいつのまにやら録画されている。
寝正月も佳境に入った1月3日。翌日の初釣り用に予備の仕掛けを作りながら、録画リストから適当にピックアップして見ていた。さんまチャンとキ●タクが奄美大島で釣りをしていた。ねばりにねばってキ●タクがみごとなマグロを釣り上げた。それを見て、漠然とした今年の目標がわき上がってきた。
「手巻きリールファイトを極めてみるか。」
一昨年からお世話になっている秘密丸の人気釣りもの「イシダイ五目」は私にとってとても馴染みやすい釣り。カラス貝などを使うのではなく、コマセとオキアミ餌で狙うのだ。故にアジやカワハギ、メバルなどのゲストも豊富。とは言えテクニックも必要で、棚はもちろんのこと誘いと手返しが釣果に結びつく。誰でも釣れるとも言えるけれど、腕試しもできるところがまた面白いのである。
五目狙いの水深は20〜40m程度。だからこの釣りものだけだったら手巻きリールで十分楽しめる。しかし「剣崎」でコマセ釣りをするとなると、やはりマダイも狙いたい。もちろん今回も船長には「イシダイメインで、できればマダイも狙って下さい。」と事前にお願いしてあった。今の時期のマダイポイント水深は60m前後。手返しを考えると小型電動リールを持ち出したくなるところなのだが、私は思いつきテーマ「手巻きリールファイトを極める」を実践することにした。
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美味しいイシダイが釣りたい!というメンバーが集まっていたので、もちろん朝一はイシダイ狙いでスタート・・・したのだがどうにも状況がよろしくない。餌取りは多いが、船中本命を上げられたのがてつやさんと郡さんだけ。途中無線でイナダが喰い始めたとの情報を船長がキャッチ。急遽イナダ狙いに変更・・・ってお〜〜〜い!手巻きリールファイト2006第一戦からいきなり青物っすか!?
ポイントに向かう間にマダイ仕掛け(フロロカーボン3号8m+マダイ針8号)を6mに詰める。細めのハリスなのでドラグ調整もしっかり確認。
指示棚は底から8〜9m。底立ちをとり2m巻き上げ、コマセを撒きながら指示棚まで誘い上げる。周りの船でポツリポツリとイナダを釣り上げ始めた。自分もその時にそなえて気を引き締める。モゾモゾっとしたと思ったらフッと穂先がもたれた・・・ビシッとアワセ。ロッドが海面に突き刺さる。き・・・・気持ち良い〜〜〜〜♪と思えたのは最初だけであった。
「つ・・・辛い。」
電動巻き上げでアシストを入れる青物とのやりとりに慣れすぎてしまったため、最近ではイナダくらいじゃちょっと物足りない、とさえ思い始めていた。それだけではなく、自分はそこそこ格好のつくやり取りが出来ているという根拠のない自信まであった。1匹目のイナダがそんな私にいきなりカウンターパンチを食らわしてきた。片手でロッドを立て、片手でリール操作をしながらイナダを釣り上げるのがこんなに辛かったなんて・・・!あっというまに上腕三頭筋に乳酸が溜まり、悲鳴を上げる。ワラサのようにグリップエンドをお腹にあてればなんとかなるかと思ったがそういう問題ではなかった。何かが・・・何かが違うぅ〜〜〜〜!!!
ようやくビシが見えた頃には、火が出ているんじゃないかと思えるくらい熱を帯びた痛みが上腕に襲ってきた。なんとか無事にタモ入れ成功。丸々とした体格の良いイナダだった。1.5キロあるかないかというサイズのそいつに、私の腕は限界まで痛めつけられた。
「ジギングヒラマサなんて、夢のまた夢だ。」
己の軟弱な肉体を恥じた。手巻きリールファイトを極めるなんてずうずうしい話だったのだ。 |
2本目を狙うかどうか本気で悩むくらい、1本目が辛かった。それでも、コマセを切らすとみんなが釣れなくなってしまうから、気合いを入れ直して次の戦闘態勢へ。入れ食いという感じではなかったので、魚が回ってくるまで置き竿で待った。だが、ちょっとよそ見している間にもうロッドが海面に突き刺さっていた。あと40m・・・30m・・・というところで重さがググッと増した。背後のmakoさんが「おまつりしたかも!」と叫ぶ。「ヘタクソが手巻きでダラダラやっているからおまつりしちゃったんだ。ごめんなさい。」と心の中で謝りながら一生懸命巻き上げる。仕掛けをたぐると案の定makoさんの道糸が絡んでいた。まずは魚をタモ入れして、と思ったら、・・・「あれ?二匹いる??」タモを構えてくれているてつやさんと私が同時に叫んだ。青い揺らめきが確かに二つあがってきた。なんとか両方キャッチ。
私
「makoさんも掛かってたのね。」
mako「いや〜、良くわからなかったのよね。mamiさんとおまつりしちゃったんだと思って巻いてきただけだから。2匹分手で巻き上げてたからmamiさん重かったんだよ(笑)」
は〜。なるほどね・・・・って逆なら私が楽だったのにぃ〜!!!
そこからストレッチしたり腕をぐるぐる回したりして痛みをごまかしながらなんとか合計4本ゲット。
全員十分にイナダを釣ったところで再度イシダイ五目にチャレンジ。しかし相変わらず餌取りだけ活性が高く、本命の顔が見られない。おそらく仕掛けが棚に入るか入らないかの時点でつけ餌は小魚に取られている。船長にイサキ用のウイリー仕掛けを分けてもらい、投入後のチャンスタイムの引き延ばしを図る。何度目かの投入でネンブツダイなどの小魚が針掛かりした。コマセはまだあるので、気にせずそのまま誘い続けていたその時・・・ガツ〜んと一瞬ロッドが絞り込まれた。「い、イシダイ!?」ハリス1.75号の仕掛けなので慎重にやりとりする。大きめアジのような引きにも感じるし、イシダイのような突っ込みも若干するけどなんだこれ???
お隣のてつやさんがタモを用意してくれる。
「アジかもしれません。」「いやいや、わからないよ〜!」と笑顔のてつやさん。そしてゆらゆらと上がってきたのは・・・シマシマではない。細長い。やっぱりアジか・・・いや、茶色いぞ!?「ムツだよ!クロムツ!」てつやさんが叫ぶ。
初めてのクロムツがこんな浅いところ(水深25m程度)で釣れるなんて!針を外そうとした時にムツ君は「ペッ!」と何かを吐き出した。その鋭い歯で引き裂かれミンチになった小魚であった。
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他船でマダイを狙っていた釣友凸さんと電話で情報交換。どうやら先ほどのイナダポイントでマダイが釣れ始めたらしい。船長に相談して、イシダイをあきらめて最後の40分はマダイに変更。
なんと到着後すぐ、こおりさんにマダイがヒット!やはりイナダとは全然違う引き込みだ。ロッドが優しい弧を描く。1キロ前後の綺麗なマダイがあがると全員が拍手。お正月からマダイを見ることが出来て(釣っていないけどね・・・)私もハッピーになれた。
これを見て全員やる気が復活。一心不乱に誘いを入れる。次に竿をしならせたのはchiiさん。残り時間わずかなのに、ちゃんとマダイロッドにチェンジした彼女にも来たのか!?
「イナダです〜(笑)」
どうやらみんなで一生懸命コマセを撒いたらイナダが戻ってきたらしい。次々にイナダがヒット。9mのハリスでぽろりコマセ釣法をやっている私にはこない。船長はお見通しで、てつやさんを通して伝令が。「カゴの下もっと空けないとコマセ出ないよって船長が言ってる。」確かに絞りすぎていた。久々のサニービシだから調節の具合を忘れていたというのが言い訳(笑)。ぽろりコマセ釣法にしてもぽろりの「ぽ」くらいしか出ない。そうこうしているうちに納竿となった。
大本命の「イシダイ」は残念ながら釣果に恵まれなかったが、思いがけずイナダで全員クーラー満タン!やっぱり初釣りはとにかく釣りたいから、そういう意味では良い釣りできた!だから大満足の一日。
深く考えずにお誘いして集まって頂いたメンバーが、ふと見てみると「女性4名男性2名」という構成だったことに朝気がついた。もう
「女性と一緒に釣りがしたい!」と強く願わなくても、私は自然と一緒に竿を出す女性の釣り仲間に囲まれている。そう実感し、なんだかホンワカと「幸せだな〜。」と思える素敵な初釣りとなった。
結論:今年のテーマは手巻きリールファイトではなく「肉体改造」で行かせて頂きます。
写真提供:chiiさん&まつぼうさん
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